※ Ubuntu 18.04のインストールと再起動直後の初期設定については、以下の記事を参照してください。
Ubuntu 18.04 LTSの最小インストールと再起動直後の初期設定
※ Ubuntu 18.04をインストールした後に行う設定変更については、以下の記事を参照してください。
次の長期サポート版であるUbuntu 18.04 LTSのコードネームは、「Bionic Beaver (バイオニック・ビーバー)」です。 日本語名もそのままでいいと思うのですが、あえて訳すと「超人的なビーバー」です。
Ubuntu 18.04 LTSの主なリリーススケジュールは以下の通りで、公式リリースは2018年4月26日に予定されています。
日付 | 18.04 イベント |
---|---|
2018.1.4 | Alpha 1 Release |
2018.2.1 | Alpha 2 Release |
2018.3.8 | Beta 1 Release |
2018.4.5 | Final Beta Release |
2018.4.19 | Release Candidate |
2018.4.26 | Ubuntu 18.04 LTS Final Release |
BionicBeaver ReleaseSchedule - Ubuntu Wiki https://wiki.ubuntu.com/BionicBeaver/ReleaseSchedule
Ubuntu 18.04は、2年に1回リリースされる長期サポート版なので、そのサポート期間は2023年4月までの5年間になります。
Ubuntu 17.10から引き続き、デフォルトのデスクトップ環境にGNOME3(GNOME 3.28)が採用されます。
また、Linux Kernelは、バージョン4.15にアップグレードされる予定です。※ Ubuntuは、2004年10月に最初のバージョンであるUbuntu 4.10がリリースされて以来、半年に1回、4月と10月にリリースされています。
※ Ubuntuのバージョン番号は、リリースされた日の「西暦下2桁+月」を表しています。
※ Ubuntuのコードネームは、頭文字が同じ「形容詞+動物」のコードネームが付けられ、6.06 LTS Dapper Drake以降は、アルファベット順になり、Ubuntu 17.10から「A」に戻りました。
Ubuntu 18.04では、デスクトップ版でもLinuxカーネルのライブパッチが利用できるようになります。
ライブパッチとは、Ksplice、kpatch、kGraftなどのライブパッチ技術により、リブートのないアップデートをカーネルに適用する方法のことです。
これによりUbuntu 18.04上での作業を中断することなく、重要なセキュリティパッチをインストールすることができるようになります。
ただし、Canonicalが提供するライブパッチサービスを利用するには、「Ubuntu One account」が必要になります。
ライブパッチはシステム設定の「ソフトウェアとアップデート」から設定するのですが、その際にUbuntu One accountへサインアップしないと有効にできません。
Ubuntu One accountは、Ubuntu 12.04から導入されたアカウントで、登録することによりUbuntuソフトウェアセンターから新着アプリや有償アプリがインストールできたり、オンラインストレージを利用することができました。
しかし、2014年7月にオンラインストレージが廃止され、また、Ubuntu 16.04からはUbuntuソフトウェアセンターも廃止されたため、現在では一部の開発者を除き、デスクトップユーザーには利用されなくなっています。
UbuntuのLinuxカーネルアップデートには、あまり時間がかかりませんし、再起動のタイミングもユーザー側で決められるので、わざわざ新規にアカウントを取得してまでライブパッチを有効化する必要はないかもしれませんね。
Ubuntu 18.04 Makes it Easier to Install Kernel Updates without Rebooting https://www.omgubuntu.co.uk/2018/04/enable-live-patch-kernel-updates-in-ubuntu-18-04
Ubuntu 18.04からは、PPAからのインストールでひと手間省けるようになります。
いままでPPAからアプリケーションをインストールするには、ステップ1でPPAの追加(add-apt-repository)、ステップ2でアップデート(apt-get update)、そしてステップ3でアプリのインストール(apt-get install)が必要でした。
Ubuntu 18.04では、新たにPPAを追加すると自動的にアップデートが実行されるので、ステップ2が省けるようになります。
Ubuntu 18.04はインストール済みのUbuntuのバージョン、CPUやメモリ等のハードウェア情報など、いくつかのシステムデータをデフォルトで収集します。
また、収集されたデータは、分析目的のために公開される予定です。
収集されるシステムデータには、以下のようなものが含まれます。
システムデータの収集はオプトアウト方式、つまり、デフォルトでは有効になります。
インストール時のオプションやシステム設定のプライバシーなどで、ユーザーが明示的に停止しない限り、データが送信され続けることにます。
以下で紹介したUbuntu 18.04 LTS用の新しいテーマですが、結局デフォルトテーマとして採用されることはなくなりました。
もともとUnity 8用に適合するようにデザインされたテーマで、Ubuntu 18.04では十分にテストされていないというのが理由です。
これによりAmbianceは、最初にUnityが採用されたバージョンUbuntu 11.04から、Ubuntu 18.04のサポートが終了する2023年まで、実に12年もの間、ほとんど変わり映えすることなく採用されることになります。
また、同様にアイコンテーマも「Suru」ではなく、従来のUbuntuデフォルトアイコンのままになります。
Ubuntu 18.04 LTSでは、インストール直後に使わないアプリを削除する手間が省けるようになります。
UbuntuのライブDVDで使用されているインストーラを「ubiquity」といいますが、Ubuntu 18.04からはインストール際に「フルインストール」と「最小インストール」を選ぶオプションが追加されます。
最小インストールには、Ubuntuのデスクトップ環境、ウェブブラウザ、そして重要なシステム設定ツールのみが含まれます。
そのため、オフィスソフトのLibreOffice、メールソフトのThunderbird、RhythmboxやShotwellのようなメディア系のアプリ、また、ゲーム類は、必要に応じて後からインストールすることになります。
最小インストールでは、約80個のパッケージがインストール対象外になり、相当のディスク容量(0.5GB程度)を節約することができます。
容量としてはさほど大きくありませんが、何より使わないアプリを削除する手間が省けるのは、大変たすかりますね。
Ubuntu 18.04を最小インストールすれば、インストール後すぐにお気に入りのアプリをインストールするだけで済みます。
Ubuntu adds 'Minimal Install' option to installer - OMG! Ubuntu! http://www.omgubuntu.co.uk/2018/02/ubuntu-18-04-minimal-install-option
現在、Ubuntu 18.04 LTSの開発チームは、起動処理とサービスを管理するシステムである「systemd」を使ったプロファイリングを行うことにより、起動時間を遅らせる原因となるいくつかの問題を解決しようと試みています。
systemdの最新機能を使った起動時間の短縮「ブートスピードブースト」が実装されれば、Ubuntu 18.04 LTSはいままでのバージョンと比較して、より高速で起動できることが期待されます。
Ubuntu 17.10では、デフォルトのディスプレイサーバに初めて「Wayland」が採用されましたが、多くの不具合が発生しました。
Synapticパッケージマネージャを始め、以前から使用していた数多くのアプリケーションが起動不能になったため、結局はログイン画面でXorgセッションに切り替えて使用するしかありませんでした。
Ubuntu 18.04 LTSは長期安定版ということもあり、デフォルトのディスプレイサーバはより安定して使えるXorgに戻し、Waylandはオプションとして提供されます。
次のバージョンであるGNOME 3.28では、長い間親しんだデスクトップアイコンがサポートされなくなります。
デスクトップにアイコンを表示して管理するための機能は、GNOMEのファイルマネージャであるNautilusが提供していますが、Nautilus 3.28では、この機能が削除されます。
ただし、Ubuntu 16.04 LTSからUbuntu 18.04 LTSにアップグレードするユーザーには、デスクトップアイコンがなくなることの影響は大きすぎるため、ファイルマネージャだけは現在Ubuntu 17.10で採用されているNautilusは3.26のままになります。
なお、Nautilusを除いた残りのGNOMEの機能については、GNOME 3.28が採用される予定です。
Ubuntuのデフォルトテーマには、何年もの間、あまり変わり映えすることなく「Ambiance」が採用されてきましたが、Ubuntu 18.04では刷新されます。
Canonicalとコミュニティの共同プロジェクトで、「Adwaita」をベースとしたUbuntu 18.04用のテーマが開発されており、Ubuntu 18.04のデフォルトテーマとして採用される予定です。
Adwaitaベースということなので基本色はライトグレーですが、現在のデザインの主流であるフラットやマテリアルといったモダンテーマとは違った雰囲気になると思われます。
Ubuntu 18.04では、GTKテーマだけでなくアイコンテーマも変わります。
Suru to be the default icon set for Ubuntu! https://www.patreon.com/posts/15409805
「Suru」はもともとUbuntu Touch用に開発されていたボタン形状のアイコンテーマで、現在でもGitHubからダウンロードして使うことができます。
Suru Icon Set - snwh.org https://snwh.org/suru
まだまだ揃っていないアプリアイコンもありますが、試してみたい方はSuru Icon Setのページ下部にある「Suru on GitHub」リンクから「suru-icon-theme-master.zip (7.2MB)」をダウンロードしましょう。
アーカイブを解凍すると「suru-icon-theme-master」フォルダが生成され、その中にある「Suru」フォルダがアイコンテーマのフォルダになります。
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