Ubuntu 16.04 LTS Xenial Xerus(ジーニアル ジリス)が、2016年4月21日に公式リリースされました。
XenialXerus ReleaseNotes - Ubuntu Wiki https://wiki.ubuntu.com/XenialXerus/ReleaseNotes
Ubuntu 16.04は、デスクトップ環境にUnityが採用されたLTS(Long Term Support: 長期サポート版 5年)としては、Ubuntu 12.04から数えて3代目ですが、今までで最も魅力のあるLTSになりました。
通常LTSバージョンは安定性を第一に考えるため、新機能はあまり採用されないのですが、Ubuntu 16.04には多くの新機能が追加されています。
【Ubuntu 16.04の主な新機能】
Ubuntu 16.04を構成する主要なシステムのバージョンはそれぞれ、Linux Kernel 4.4、Unity 7.4、GNOME 3.18にアップデートされています。
Ubuntu 16.04はLTSなので、そのサポート期間は2021年4月までの5年間になります。
Releases - Ubuntu Wiki https://wiki.ubuntu.com/Releases
以下、Ubuntu 16.04のインストール方法と、インストールした後の設定を新機能を中心に紹介していきます。
Ubuntu 16.04のダウンロードページを開くとわかりますが、以前まであった64bitと32bitの選択肢が削除されており、64bit版のみのダウンロードとなっています。
一応「Alternative download」から、32bit版のダウンロード(NetbootとBitTorrent)もできるのですが、すでにGoogle Chrome 32bit版のサポートが終了しているように、今後は使えるアプリも減少していく傾向なので、64bit版をインストールした方がよいでしょう。
「Ubuntu 16.04 Installation Guide」に記載されている64bit版の最低システム要件は、デスクトップ版で以下の通りです。
Ubuntu 16.04 Installation Guide (amd64) - Meeting Minimum Hardware Requirements https://help.ubuntu.com/16.04/installation-guide/amd64/ch03s04.html
また、Ubuntu 16.04のダウンロードページには、新たに推奨システム要件が記載されており、こちらの方がより高いスペックが要求されています。
1つ前のLTSバージョンであるUbuntu 14.04と比較すると、大幅に高いスペックが要求されていますが、それでも実際にメモリ2GBでUbuntuを動かすには、大きなストレスを感じるでしょう。
参考までに、私がUbuntu 16.04をインストールしたPCは、Lenovo G570, Celeron B800 (1.5GHz), RAM 2GBですが、さすがに64bit版ではメモリが少なすぎるので、4GB増設して合計6GBで使っています。
メモリ6GBなら、ほとんどストレスフリーで作業できます。
なお、Ubuntuの認定ハードウェア情報や、Linuxのメーカー別ノートPCの動作状況も公開されているので参考にしてください。
Ubuntu Desktop certified hardware http://www.ubuntu.com/certification/desktop/
Linux on Laptops http://www.linux-laptop.net/
Ubuntu 16.04をハードディスクにインストールするには、Ubuntu 16.04のISOイメージをダウンロードして、インストールディスク(ライブDVD)を作成する必要があります。
Download Ubuntu Desktop http://www.ubuntu.com/download/desktop
Ubuntu 16.04のダウンロードページにアクセスしたら、オレンジ色の「Download」ボタンをクリックしましょう。
「Contribute to Ubuntu」という寄付金のページが表示されるので、ページ下部にある「Not now, take me to the download」リンクをクリックすると、自動的に「ubuntu-16.04-desktop-amd64.iso (1.4GB)」のダウンロードが開始されます。
あとは、ダウンロードしたISOイメージをDVDに書き込んで、Ubuntu 16.04のライブDVDを作成しましょう。
なお、Windows, Mac OS X, UbuntuそれぞれのOSにおける、ISOイメージのDVDへの書き込み方法については、以下のページを参照してください。
BurningIsoHowto https://help.ubuntu.com/community/BurningIsoHowto
Ubuntu 16.04のライブDVDを挿入してPCを再起動すると、しばらくしてUbuntuの起動画面が表示されます。
左側の言語リストから「日本語」を選んで、「Ubuntuを試す」ボタンをクリックすると、Ubuntu 16.04がライブDVDから起動します。
デスクトップが表示されたら、お使いのハードウェア(スクリーン、キーボード、マウス、ネットワークなど)が、正常にUbuntuに認識されているか確認してみましょう。
Ubuntu 16.04のインストールには、インターネット接続が必要になります。
無線LANの場合は、パネルのネットワークアイコンからアクセスポイントを選択して、SSIDや暗号化キーを入力すれば接続できます。また、ステルス設定を有効にしているときは、「Connect to Hidden Wi-Fi Network」を選んで接続します。
Ubuntu 16.04をインストールする準備ができたら、デスクトップにある「Ubuntu 16.04 LTSのインストール」アイコンをダブルクリックしましょう。
Ubuntu 16.04のインストールは、ウィザードに従って操作していくだけで、20分程度で完了します。
まず、「インストール準備」として、「アップデートをダウンロードする」と「サードパーティーソフトウェアをインストールする」の2つのオプションが表示されます。
2つとも特にチェックする必要はないので、オフのまま次へ進みましょう。
次に、「インストールの種類」では、Ubuntuをどのようにインストールするかを設定します。
すでにインストールされているOSが自動的に認識され、それによって選択できるオプションが表示されます。
例えば、Ubuntuの古いバージョンがインストールされている場合は、上から順に、アップグレードインストール、再インストール、デュアルブート、クリーンインストールの4つのオプションが表示されます。
ディスク全体ではなく、パーティションを指定してインストールしたいときは、一番下にある「それ以外」を選んでディスクの構成を表示しましょう。
PCに搭載されている全てのハードディスク(sda, sdb...)とパーティション(sda1, sda2...)が表示されるので、インストール先のパーティション(ここでは /dev/sda1)を選択したら、下にある「変更」ボタンをクリックして、「パーティションを編集」を開きます。
「利用方法」から「ext4ジャーナリングファイルシステム」を選択して、「パーティションの初期化」をチェックしたら、マウントポイントから「/(ルート)」を選んで「OK」ボタンで編集を完了します。
インストールの種類を選んだら、右下の「インストール」ボタンをクリックして、ハードディスクへのインストールを開始しましょう。
続いて、「住んでいる地域」と「キーボードレイアウト」が表示されるので、確認したら次へ進みます。
最後は、ログインユーザー情報の入力です。ユーザー名やパスワードを入力したら、スライドショーを見ながらインストールが完了するのを待ちましょう。
インストール完了のメッセージが表示されたら、ハードディスクへのインストールは完了です。あとは、ライブDVDを取り出して再起動すれば、Ubuntu 16.04がハードディスクから起動します。
Ubuntu 16.04のグローバル版をインストールした直後の状態では、入力メソッドが設定されていないため、日本語入力できません。
日本語入力できるように設定するには、まず、パネルのシステムアイコンから「システム設定」を開いて、「言語サポート」をクリックします。
「言語サポートが完全にはインストールされていません」とメッセージが表示されるので、インストールしてUbuntuを再起動しましょう。
次に、パネルの言語アイコンから「設定」を選んで、「入力メソッドの設定」を開きます。
「キーボード - 英語(US)」が残っていると、半角/全角キーによる日本語切り替えができなくなるので、選択して「-」アイコンで削除します。
「+」アイコンで「入力メソッドの追加」を開いて、日本語入力メソッドの「Mozc」を追加します。
入力メソッドを「キーボード - 日本語」と「Mozc」の2つに設定しておけば、半角/全角キーによる切り替えで日本語入力ができるようになります。
Ubuntu 16.04から標準のアプリインストーラーとして採用されたのが、一瞬で起動して動作も軽いUbuntu Softwareです。
起動すると、一番上に検索ボックスが表示され、以下、「注目アプリケーション」のバナー、「編集者のおすすめ」、「おすすめのアプリケーション」のアイコンが並び、一番下にカテゴリのボタンが表示されます。
また、上部にある「更新」ボタンからは、ソフトウェアの更新を確認して、インストールすることもできます。
アプリのインストールはとても簡単で、アプリ名で検索してアイコンをクリックしたら、「インストール」ボタンを押すだけです。
インストール済みのアプリの場合は、ボタンが「削除」と「起動」に変わるので、ひとめでインストール済みかどうかわかります。
Ubuntu Softwareの仕様なのかバグなのかわかりませんが、 Ubuntuソフトウェアセンターでは検索できた一部のアプリが、Ubuntu Softwareでは検索できなくなっています。
例えば、画面キャプチャアプリの「ksnapshot」や後述する「ubuntu-restricted-extras」などは、公式リポジトリからインストールできるにもかかわらず、検索結果に表示されません。
Ubuntu SoftwareからSynapticパッケージマネージャはインストールできるので、検索できないアプリをインストールするためにも入れておいた方がよいでしょう。
Google ChromeのLinux版は、debパッケージとして提供されていますが、Ubuntu Softwareではdebパッケージを正常にインストールすることができません(インストール待機中で止まります)。
Ubuntu 16.04でdebパッケージをインストールするには、「GDebi パッケージインストーラー」を使います。
Google Chromeのダウンロードページから「google-chrome-stable_current_amd64.deb (48.4MB)」をダウンロードしたら、右クリックして「GDebi パッケージインストーラー」で開くを選択しましょう。
あとは、「パッケージをインストール」ボタンをクリックするだけで、Google Chromeをインストールできます。
Ubuntu 16.04の標準機能として、Dash検索によるログアウト、再起動、シャットダウンができるようになりました。
ログアウトなら「logout」、再起動なら「reboot」、シャットダウンなら「shutdown」で検索してアイコンをクリックすれば、それぞれのコマンドを実行できます。
また、すべてのコマンドを表示したいときは、「session」で検索です。
各コマンドを実行すると確認ダイアログが表示されるのですが、これはオフにできるとよかったですね。
システム設定の「外観」に、「メニューの表示」オプションが追加されました。
「挙動」タブにある「メニューの表示」から「常に表示」を選んでおけば、メニューバーの中のメニューが常に表示されるようになります。
これならメニューをすぐに選べるし、パネルスペースが無駄になりませんね。
Ubuntu 16.04にしてやっと、Unityランチャーの位置を変更できるようになりましたね。
まだ試験的な機能のためか、システム設定からの変更はできません。
ランチャーをデスクトップ下部に配置したいときは、「Unity Tweak Tool」をUbuntu Softwareからインストールしましょう。
Unity Tweak Toolを起動したら、「Launcher」アイコンをクリックします。
「外観」の「Position」オプションから「Bottom」を選べば、ランチャーをデスクトップ下部に配置できます。
また、デスクトップをより広く使いたいなら、「自動的に隠す」オプションをオンにしておきましょう。
外付けハードディスクなどを接続した状態でファイルマネージャを開くと、デバイス名の横に取り出しボタンが表示されているのに気づくと思います。
また、デバイスの右クリックメニューには「フォーマット」が追加され、直接リムーバブルデバイスをフォーマットすることができます。
Ubuntu 16.04で、MP3などの音楽ファイル、MP4やMKVなどの動画ファイル、また、DVDを再生するためには、「ubuntu-restricted-extras」をインストールする必要があります。
「ubuntu-restricted-extras」は、Ubuntu Softwareでは検索できないので、インストールにはSynapticパッケージマネージャを使いましょう。
インストールの途中で、「ttf-mscorefonts-installerを設定しています」と表示されますが、使用許諾をチェックして次に進めばインストールは完了します。
Ubuntu 16.04には、著作権制限のあるDVDを再生するための「libdvdcss2」ライブラリのインストールスクリプト「/usr/share/doc/libdvdread4/install-css.sh」がありません。
libdvdcss2をインストールするには、まず以下のページから「libdvdcss2_1.4.0-dmo1_amd64.deb」をダウンロードしましょう。
libdvdcss deb download: http://mirror.home-dn.net/debian-multimedia/pool/main/libd/libdvdcss/
あとは、ダウンロードしたパッケージをGDebiからインストールすれば、市販のDVDでも再生できるようになります。
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