UbuntuとCanonicalの創設者であるMark Shuttleworth氏は、2017年4月5日に、Unity 8とUbuntu for phonesの開発を中止するとアナウンスしました。
Growing Ubuntu for Cloud and IoT, rather than Phone and convergence: https://insights.ubuntu.com/2017/04/05/growing-ubuntu-for-cloud-and-iot-rather-than-phone-and-convergence/
2015年ごろから開始された、Unity 8をPC、スマートフォン、タブレットで動作させるプロジェクト「convergence」は、開発を終了することになりました。
Ubuntu 11.04で初めて採用され、7年間親しんだUnityデスクトップ環境ですが、順次メンテナンスを終了し、Ubuntu 18.04 LTSでは標準デスクトップがGNOMEに戻ることになります。
アナウンスのタイトルに「コンバージェンスではなくUbuntuはクラウドとIoTのために成長していく」とあるように、今後Ubuntuはデスクトップとサーバー、そしてオートメーションやロボット工学などの組み込みOSを中心に開発が進んでいくことになります。
ちょうど「世界のOSシェアでAndroidがWindowsを抜いてトップになる」というニュースがあった直後のタイミングなので、「よくぞ英断してくれた」というのが個人的な感想です。
遅れに遅れているUnity 8をリリースしたところで、いまさらモバイルOS市場に何の影響も与えないでしょう。
Windowsが著しく信用を失い弱体化している今こそ、狙うはデスクトップOSのシェアとプレインストールPCです。
近年では、UbuntuがGNOME2を採用していたころに比べて、Unity用のUbuntuアプリの開発者は激減し、提供されるアプリケーションの種類がさみしくなっていました。
また、Unity 8では従来のUnity 7用のアプリが正常に動作しなくなるという恐れもあり、このままUnity 8に移行すると、ますます使えるアプリの数が減少することが懸念されていました。
今後はUbuntu 18.04 LTSがGNOMEに戻ることで、以前のように活気のあるオープンソースアプリの開発環境が整うことを期待したいですね。
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Ubuntuは流行を追って機能を取り入れ、朝令暮改のようなOSになっていましたが、ようやく正道に立ち戻ってくれるのは嬉しい限り。
これで中途半端な操作性がなくなり、OSSの開発者が増え、業務でWindowsを使わざるを得ない状況から脱却できると言うことないのですが。