BIOSが破壊されるバグの影響を受けるPCのリストは、以下に掲載されているので、該当するノートPCへのインストールは絶対にしないでください。
Bug #1734147 “Ubuntu 17.10 corrupting BIOS - many LENOVO laptops...” : https://bugs.launchpad.net/ubuntu/+source/linux/+bug/1734147
なお、この問題が修正されるまで、Ubuntu 17.10の公式ダウンロードは一時的に停止されています。【追記 2017.12.26】
Ubuntu 17.10 Artful Aardvark(アートフル・アードバーク)が、2017年10月19日にリリースされました。
Ubuntu 17.10 Artful Aardvark ReleaseNotes https://wiki.ubuntu.com/ArtfulAardvark/ReleaseNotes
2017年4月にUnity 8の開発中止が発表されてから、Ubuntu 17.10はGNOME 3を標準デスクトップに採用した、最初のバージョンになります。
ちょうどコードネームがアルファベットの「A」に戻るタイミングで、GNOMEに原点回帰したことになりますね。
大きな変更点として、32ビット版のデスクトップイメージ(i386 ISO)は、本リリースから提供されなくなります。
すでに、Ubuntuユーザーの90%以上がUbuntu-64bitを使っているというアンケート結果もあり、無駄なリソースを省く目的があります。
Ubuntu 17.10では、次の長期サポート版であるUbuntu 18.04 LTSへの前段階として、数多くの変更点が採用されています。
【Ubuntu 17.10 変更点】
Ubuntu 17.10のサポート期間は、2018年7月までの9ヶ月間になります。
Releases - Ubuntu Wiki https://wiki.ubuntu.com/Releases
以下、Ubuntu 17.10のインストールと、大幅に変更されたシステム設定を使ったカスタマイズを紹介していきます。
Ubuntu 17.10のインストールDVDでPCを起動したら、デスクトップにある「Ubuntu 17.10のインストール」アイコンをダブルクリックして、インストールを開始しましょう。
なお、Ubuntu 17.10のISOイメージのダウンロードやOS別のインストールDVDの作成方法は、Ubuntuのダウンロードページを参照してください。
「ようこそ」が表示されたら、左側の言語一覧から「日本語」を選んで、次へ進みます。
インストール準備では、アップデートやサードパーティーのソフトをインストールするオプションがありますが、いずれもデフォルトのオフのままで次へ進みます。
インストールの種類では、既にPCにインストールされているOSが検出され、アップグレード、クリーンインストール、デュアルブートのオプションが表示されます。
ディスク全体ではなく、特定のパーティションにクリーンインストールしたいときは、「それ以外」を選んで次に進みます。
デバイスからインストール先のパーティションを選択したら、下にある「変更」ボタンをクリックして、「パーティションを編集」を開きます。
「利用方法」から「ext4ジャーナリングファイルシステム」を選択、「パーティションの初期化」をチェックしたら、マウントポイントから「/(ルート)」を選んで「OK」ボタンで編集を完了します。
ここまでの設定はキャンセルできますが、右下にある「インストール」ボタンをクリックするとハードディスクへの書き込みが始まるので、よく確認してからクリックするようにしましょう。
住んでいる地域には、自動的に日本が選択されるので、次へ進みましょう。
キーボードレイアウトからは、「日本語」を選んで次へ進みます。
最後にログインするユーザー名とパスワードを入力すれば、インストールの設定は完了です。あとは、スライドショーが始まるのでインストールが完了するまで待ちましょう。
環境にもよりますが、インストール時間は20分程度で終わります。インストールが完了したらディスクを取り出して、ハードディスクからUbuntuを起動しましょう。
デフォルトのディスプレイサーバがWaylandになった影響で、様々な不具合が発生します。
少し触っただけでも、Synapticが起動しない、Google Chromeで「Ctrl+V」キーを押すとフリーズする、画面キャプチャソフトのSpectacleで範囲指定ができないなどの現象が発生しました。
なにか動作がおかしいと感じたら、ログイン画面にある歯車アイコンから「Ubuntu on Xorg」を選んで、Xorgセッションで起動するようにしましょう。
Ubuntu on Xorgであれば、以前から使用していたアプリケーションが、より安定して使えるようになります。
ここからは新しくタッチデバイス風になったシステム設定を使って、Ubuntu 17.10をカスタマイズしていきましょう。
システム設定は、トップバー右側にあるシステムステータスエリアのメニューからツールアイコンをクリックして起動できます。
システム設定の「Wi-Fi」には、自動検出された無線LANのアクセスポイントが一覧表示され、クリックするだけで接続することができます。
一覧に表示されないステルス設定されたアクセスポイントに接続するには、タイトルバーにある3本線のアイコンから「非表示のネットワークに接続」を選びます。
「非表示Wi-Fiネットワーク」ダイアログが開くので、アクセスポイント名やセキュリティコードを入力して、接続しましょう。
一度設定しておけば、あとは、Ubuntu起動時に自動接続されるようになります。
壁紙やロック画面の変更は、「背景」から行います。
それぞれ、クリックして背景にしたい画像ファイルを選択すれば変更できるのですが、ディスプレイマネージャがGDM3に変わった関係で、ここでの変更がロック画面に反映されません。
ロック画面の背景を変更するには、手動でCSSファイルを編集する必要があります。
まず、端末から以下のコマンドで、GDM3のCSSファイルを開きます。
$ sudo gedit /etc/alternatives/gdm3.css
次に、「lockDialogGroup」セレクタを検索して表示します。
#lockDialogGroup { background: #2c001e url(resource:///org/gnome/shell/theme/noise-texture.png); background-repeat: repeat; }
「background」タグに続くurlが、ロック画面の背景画像へのパスになります。
#lockDialogGroup { background: #2c001e url(file:///home/ubuntuapps/ピクチャ/loginwall1.jpg); background-repeat: repeat; }
例えばこのように、ロック画面の背景に設定したい画像ファイルへのパスに変更して保存しましょう。
Ubuntuを再起動すれば、ロック画面を好みの画像に変更できます。
Ubuntu 17.10から新しく追加されたランチャーが、Ubuntu Dockです。
システム設定の「Dock」では、Ubuntu Dockをのアイコンサイズを変更したり、配置を左、下、右の3箇所に変更することができます。
また、「Dockを自動的に隠す」オプションをオンにしておけば、自動的に隠すこともできます。
日本語入力の設定は、「地域と言語」から行います。
「地域と言語」を開いたら、まず、「インストールされている言語の管理」ボタンをクリックして「言語サポート」を開き、不足している言語パッケージをインストールしておきましょう。
入力ソースの一番上に、「日本語 (Mozc)」を、その次に「日本語」が来るように並べ替えます。
トップバーの日本語入力アイコンから「日本語 (Mozc)」を選択してチェックすれば、半角/全角キーで日本語入力の切り替えができるようになります。
なお、入力ソース「日本語」を削除すると、キーボードレイアウトが変わってしまうので、注意してください。
また、Ubuntu 17.10インストール直後の状態では、なぜか再起動ごとに「日本語 (Mozc)」が増えていくという現象が発生していましたが、言語サポートのインストールで正常になりました。
画面の自動ロックや使用履歴などのプライバシー設定は、「プライバシー」からまとめて変更できます。
設定できるのは、「画面ロック」「位置情報サービス」「使用と履歴」「ゴミ箱と一時ファイルの削除」「問題報告」「ネットワーク接続性の確認」の6項目です。
それぞれクリックすると、オンオフスイッチが表示されるので、使用しないプライバシー情報はすべてオフにしておきましょう。
バッテリーの充電状態を確認したり、画面の明るさを変更するには、「電源管理」を選びます。
「画面の明るさ」のスライダーでモニタの明るさを変更できるので、好みに調整しましょう。
また、一定時間経過すると画面がブラックスクリーンになるのを防ぐには、「操作していないときに画面を暗くする」オプションをオフにしておきます。
プリンタやマウスなどの周辺機器の設定は、すべて「デバイス」から行います。
システム設定から「デバイス」を選ぶと、「プリンター」「キーボード」「マウスとタッチパッド」などのサブメニューが表示されます。
例えば、「マウスとタッチパッド」であれば、マウスカーソルの速度を調整したりタッチパッドを無効化するオプションがあるので、好みにカスタマイズしましょう。
システム設定の「詳細」では、Ubuntuのバージョン確認やログインパスワードの変更ができます。
サブメニューの「詳細」では、Ubuntuのバージョンやアーキテクチャ、GNOMEのバージョン、CPUやメモリ、ハードディスクの容量などのシステム情報をまとめて確認できます。
また、「ユーザー」からはログインパスワードの変更、「既定のアプリケーション」からはデフォルトのアプリを変更できます。
最後に、新しいシステム設定ではないですが、Ubuntuのインストール直後の必須設定を2つ紹介します。
Ubuntu 17.10でmp4やmp3などの動画・音楽ファイルを再生しようとすると、「このファイルを再生できません」とエラーが表示されます。
Ubuntu 17.10で動画や音楽を再生するには、端末から以下のコマンドを実行して「ubuntu-restricted-extras」をインストールしましょう。
$ sudo apt-get install ubuntu-restricted-extras
インストールの途中で、「ttf-mscorefonts-installer」のメッセージが表示されますが、使用許諾を「はい」にして進めばインストールは完了します。
これで動画や音楽を再生できるようになりますが、DVDの再生には更に「libdvdcss2」のインストールが必要になります。
以下のページから「libdvdcss2_1.4.0-dmo1_amd64.deb (55.8KB)」をダウンロードします。
libdvdcss deb download http://mirror.home-dn.net/debian-multimedia/pool/main/libd/libdvdcss/
ダウンロードしたdebパッケージをダブルクリックして、Ubuntuソフトウェアストアからインストールしましょう。
これだけでは、DVD再生に必要なコーデックが足りていなかったので、「gstreamer1.0-plugins-bad」を追加でインストールします。
$ sudo apt-get install gstreamer1.0-plugins-bad
これらのパッケージをすべてインストールすれば、DVDが再生できるようになります。
Ubuntu 17.10をインストールしたら、以前よりインターネットの速度が遅くなったというときは、IPv6の無効化を試してみましょう。
端末から以下のコマンドを実行して、「sysctl.conf」ファイルを開きます。
$ sudo gedit /etc/sysctl.conf
sysctl.confファイルの一番下に、以下の1行を追加して保存します。
net.ipv6.conf.all.disable_ipv6 = 1
Ubuntuを再起動すると、IPv6が無効化されます。
私の場合は、ADSLで通常ダウンロードの実効速度は7Mbps程度です。
Ubuntu 17.10インストール直後の状態では、2Mbps程度しかでませんでしたが、IPv6を無効化することにより通常の7Mbpsに戻りました
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